諦めずに挑戦し続けること【一級建築士・コラぼる会事務局長 岸真也】
2017年 08月 09日
どうも。皆さん、たいへんご無沙汰しております。塚原です。早速ですが今日は皆さんに当会の事務局長をご紹介します。
一級建築士事務所sign代表 岸さんです。こう見えて42歳(後厄)です。見た目が若いですね。わたしと同い年ですが学年は岸さんの方が1つ上です。早生まれの卯年です。
建築士としての仕事と、事務局長の仕事の両輪で頑張っています。どちらの仕事も全力で頑張っています。たまにフットサルもやってます。事務所の中でもタマにボールを蹴ったりしてお母さんに怒られたりしています。無邪気ですね。
突然ですが、コラぼる会では会長より事務局長が一番偉いんです。事務局の仕事は大所高所で会全体を見なければいけない、各会議の調整、コラボの記録や会員名簿やコラ活ファイルの作成、仮会員・オブザーバーへの案内、会計事務、備品の管理などなど、その仕事内容は多岐にわたる。一番偉い。仕事がエラい。
よく会長はお父さんで、事務局長はお母さんと言われるけれども、わたしは野球のバッテリーだと思います。野球のバッテリーというのは、もちろん野球の乾電池ではありません。投手と捕手の間柄をバッテリーと言います。バツ&テリーという野球マンガがありましたね。少年マガジンやったかいな。野球マンガちゅうか不良ヤンキーマンガでしたね。野球も下手くそでヤンキーにもなれずに勉強ばっかりしていた自分と真逆でしたが少しの憧れのようなものを抱きこっそりと親戚のお兄ちゃんの家に遊びに行く度に読んだ記憶があるようなないような。話を野球に戻しますとわたしが投手で岸くんが捕手です。岸と言えば、今シーズン西武から楽天へFA移籍した岸孝之投手を想像しますが。ここでは岸は捕手です。ID野球です。頭のいい捕手の言いなりです。言われた通り投げられないこともタマにありますけど、捕手のミット目がけて思いっきり投げるのみ。わたしは岸くんの出したサインに、あ、いや、思い出した。岸のsignやった。野球の話やないんや。岸のsignを紹介する記事です。少し長くなりますがお付き合いいただければ幸い候。
事務所は野里のエキサイティングビルMAGIXの3階にあります。
ここは野里街道。みなと銀行の北側、711とかコインランジェリーコインランドリーがあるところの隣にある外観がとてつもなくお洒落なビルの3階です。岸さん自らこのビルにある事務所のご紹介とご自身の仕事の内容をご説明いただきます。
野里商店街の方から。裏側から見るとこうなっています。
とってもカラフルですね。ドアが全部違う色ですね。間違いにくいですね。わたしはよく夜中に酔っ払って帰ってきてマンションのドアを間違えますけどね。エレベーのボタン間違えて押しとるんだろうな。よく階数を間違えてね。景色まったくおんなじやから、部屋の前までジグザグで歩いて行って、ドアノブを思いっきりガチャガチャして大声で「おぉ~い!開けんかぇ~い!!旦那さんのお帰りやぞ~!!」って。あ、ちゃうかった、誰も居なかった。一人暮らしやった。鍵や、鍵や、かばんゴソゴソ、ほんでカチャカチャ、カチャ?開かんがな。アカンがな。エレベー間違えて7階で降りてもとるがな。えらいすんまへんな。ドアスコープから覗く誰かにお辞儀をして階段の手すりをすがるように這い上がって自分の部屋へ。あー疲れた。ただいま。おかえり。誰もいない。当然だ。誰かおったら怖いわ。真っ暗な蒸し暑い部屋。点灯。とりあえず窓を全開にして、汗でまとわりついたシャツを脱ぐ。ワンドアの冷蔵庫からよく冷えた缶ビールを取り出す。開栓。プシュ。この音だけでええんや。開栓して口を付けただけで、ベッドに横になってしまう。寝たような寝てないような気持ちですぐ朝になる。(重い頭を持ち上げて)この歳になると、ほんと酒を飲んだ後の日がしんどいな。これなんなんやろな。弱くなってるんかな。身体が肝臓が、あるいは精神的なものか。まぁアルコール分解能力が減退しとるんかな。昔は朝まで飲んでもなんちゅうことなかったけどなぁ。気合が足らんのかな。あぁ、清水。とかなんとか毎回言いながら昨日浴びずに取っておいたシャワーを浴びて、飲みさしの缶ビールをステンのシンクに流す。おえ。ぬるいビールのあの匂い。勢いよく水を全開に流し、勢いよく歯茎と歯を同時にブラッシング。おえ。歳かな。最近歯茎が減退してきて歯槽膿漏。虫歯でもないのにめっちゃ歯が痛くなることある。気をつけて歯茎のマッサージを兼ねてブラシでこちょこちょやっている。そんな朝でした。んや、違うな。こんな独身男の二日酔いの朝の様子を紹介したい訳ではないんだよ。お夏!
裏手にはあのお夏清十郎で有名な野里商店街があります。毎年ちょうどこの時期にこの商店街で盛大にパレードが行われています。今年はいつに開催されるのか岸さんに聞いてみたら8月9日だそうです。そうです。今日です。良かったら覗いてみてはいかがでしょうか?
岸さんは商店街のことは何でもご存知です。事務所の駐車場は商店街の一角にあります。岸の嫁の実家の駐車場を借りています。事務所からは歩いてすぐです。サッと車を停め、いざ事務所を訪問したいと思います。
事務所は最近移転しましてん。
移転といっても305号室から301号室に移っただけです。5メーターほどお城側に移転してん。
いや、まだのようです。いったん閉めました。
これを見よ、と。signのサインです。もちろん岸さんの手書きのデザインです。瓦でしょうか。なんでしょうか。
なかなか焦らしマンです。玄関で押し問答を繰り返し、管理会社が飛んで来そうなギリギリのところで中に入れてもらいました。とっても暑い日だったので、中に入るとスーっと身体が楽になりました。そうゆう作戦だったのでしょうか、後で気がついたのですけど、そんなにエアコン効いてませんでした。熱々のギリギリまで待たされたので中に入った時の寒暖差で気持ち良かっただけだ。事務所の中の気温に慣れたらまぁまぁぬる~い空気でしたわ。はは。
南の角部屋なんで日当たりも良く見晴らしも最高です。部屋もだいぶ広くなってますね。広くて日当たりお洒落ですね。いかにも一級建築士事務所という内観です。いかようにも建築ができそうな空間です。そして、カメラは急いで岸さん自ら冷たいアイスコーヒーを淹れようと小キッチンに走る瞬間を捉えました↓↓↓
なんと。コラボレーションですね!!
八木商事の河原さんから購入(あるいはリース)されたコニカミノルタの名機「bizhub c224e」がドドーンと鎮座しておりました。設計事務所には必需品のフルカラー複合機ですね。2013年度グッドデザイン賞を受賞している名機です。さすが1級建築士事務所ですね。なにかにつけてオシャレな雰囲気を醸し出しています。
さらに事務所の造作を確認します。
ググ、グィーングィン、年代物のクーラーが唸りを上げています。真っ白い壁に良く合う黄色いエアコンです。三菱電機のmr.slimです。そんなにスリムだとは思いませんでしたが、当時はスリムだったんでしょうね。結婚して太ったとかいう意味ではなく、当時のエアコンにしては画期的なほどスリムに設計できたんでしょうね。色はどうなんでしょう。もともと黄色いのか最初は白かったのか。昔のエアコンは(とくに家庭用では)木目調でしたよね。分厚くて。音もうるさくて、めっちゃ寒くなるやつ。
古いエアコンは冷えるか冷えないかの二択。今どきの人感センサーが付いていたりしません。湿度や風量や風向の調節機能が乏しく、このような‘風受け‘をセットしておられます。さすが建築士です。空間の魔術師ですね。出た風をここで受けて、サーキュレーターの強風により、人が働いている空間へ冷たい風を運ぶシステムとなっております。正直な話、この事務所内でこれが一番感銘を受けました。日当たりが良すぎて夏はホカホカです。コンクリート打ちっ放しの壁は熱を持つのです。それを人間の知恵で創意工夫を重ね解決する。これこそが建築・設計の基本だと感じさせる仕組みです。さすが岸。
そうこうしているうちに、美味しいアイスコーヒーとお菓子が出て来ました。
先日、少し早めの夏休みを取得され、ご家族皆さんで沖縄に旅行に行かれたそうです。聞いてもないのに、楽しい家族との思い出を語って頂きました。コマカ島という無人島に上陸したらしいけど観光客わんさかやったらしいです。
南の窓からは姫路城も見えます。
見えますかね?
711の看板の右側です。写真では米粒サイズですが、実際に見たらおにぎりサイズです。
指し棒のように伸縮自在ですけど、先っちょがまーるい銀の玉になってます。さてここでクイズです。この棒の使用目的は次の4つのうち正しいものはどれでしょうか!!??
①コンクリート等の打音検査
②パチンコの釘を調整
③ゴルフのパター練習
④木琴をそっと叩く
正解は①コンクリート等の打音検査 でした。
見たことないですか?高速道路や新幹線の柱や橋梁、トンネルの内壁、ビルやダムの壁面などなど、日本中のあらゆるコンクリートでできた構造物の点検に使われる。どのように。そうです。人力で文字通りコツコツと打って異音を調べる。町中調べる。異音を町中。そう、それがイオンタウンの語源だと言われている(諸説あります)いや、たぶん違うでしょうね。失礼しました。人力で、このような伸びる鉄球棒や小カナヅチで打って調べるんだって。途方もない作業ですね。このように人力で打って行ったらどうなるか、全部終わるまでにまた最初に検査したとこやらなあかんやん。すんごい労働やん。すんごいコストかかるし。それやってる会社って永久に仕事あるからええなぁ。と思ったり。しかし大変な仕事ですわな。朝から1日中、集中して、音が変わるその瞬間のために。音の間違い探しのような仕事。でも丁度こないだTVでやってたけど緑色のレーダーを照射してその反射の振動か音を捉えてコンピューターで善し悪しを判定できるようになってるって。進歩ですね。道路もそのように下向きに照射できる車で走るだけって。そらええわな。通行止めにせんでも済むし、時間が全然違うでしょうね。岸さんのように作る仕事も大事ですが、それよりもそれが正しく安全に永続的に使用できるように検査・補修する仕事もとっても大事ですね。
お待たせしました。ここからが本題となります。
はよ何でも聞かんかぇ、という顔です。そろそろ少し怒ってます。怖いですね。事務局長の顔になってきてます。
まずは、signという社名についてお聞きしました。
わたし:屋号がsignとなった由来を教えてください
岸さん:由来としてはdesignからです。デザインやとそのまますぎるので、デを取って、signとしました。signの意味としては「印す」「看板」などの意味がありますが、頭文字を次のように設定しコンセプトとして考えております。
S・・・スペース
I・・・イマジネーション
G・・・グリーン、あるいはガーデン
N・・・ナチュラル です。
わたし:ふーん。S、I、Nは分かるんですが、Gのグリーン、あるいはガーデンってなんですか?
岸さん:この殺伐としたコンクリートジャングル日本の中で、落ち着ける場所、人間として生きものとしての本来の住処、緑、自然に戻れる空間。それが庭です。庭を中心とした建築の提案。家に庭があると書いて家庭です、庭が無いとただの家です、それは単に構造物です。ボクの目指す最高の建築は良い家庭になる建物です。そこに住む人の暮らし、家族の笑顔を想像しながら創造します。
わたし:想像から創造ですか。いいですね。
岸さん:そうですね。
わたし:そのように設計をしたものを実際に建築するにあたってご苦労されたことはありますか?
岸さん:やっぱり、苦労する点はいかに自分と施主様が思い描いたイメージ通りに建てるかという点ですね。これが簡単なようでなかなか難しいんですよ。実際に建てるのは職人さん大工さんですからね。斬新な革新的な建物を建てようとすると職人さんと衝突することも多いですよ。今までやったことない仕事をやってもらう訳ですから。諦めずに何度もよく説明してやってもらうんです。そうすると最後には職人さんもよし!やってやろうやないか!と楽しんで仕事をしてもらえるんです。こうなったらもう勝ちです。そこまでが大変ですが、粘り強くやりきり切ることですね。挑戦です。なんでもそうですよね。仕事も家庭もコラぼる会でも同じことですね。
わたし:確かにそうですね。それでは次に、建築のアイデアはどうやって生み出すんですか?
岸さん:んー。基本はクライアントさんのご要望をよくヒアリングするところから始まります。それを頭の中でよくイメージして、まずはデッサンをします。それを元に図面を描き、このような模型を作ります。それを提案し、想いを共有しながら、修正を重ねいい建物を作り上げます。
わたし:なるほどですね。イメージを形にするってすんごい仕事ですよね。クリエイティブな仕事ですな。羨ましい。しかもそれがすぐに形に出来るなんて。
岸さん:いやぁ。そうでもないですよ。なかなかイメージが湧いてこなかったり、イメージが出来てもなかなかそれを建築という形にするのは難しいものなんですよ。
わたし:岸さんでもそんなことがあるんですか!?そのような煮詰まった時はどうするんですか?
岸さん:いろいろありますけどね。一番はあまり考えすぎないってことかもしれませんね。
わたし:というのは?
岸さん:考えても考えても出ない状況ってあると思うんですよね。たとえが適切でないかも知れませんが便秘みたいなもので、あまり意識しすぎるとかえって良くないですよね。ちょっと違う角度から攻める、あるいは敢えて何もしない。無。ぼーっと電車の窓から外を眺めてたり、犬(犬種はビーグル、名前はシンバ)の散歩をしていたり、家族とご飯を食べてたり、雑誌を斜め読みしてたり、そんな普通の瞬間にビチビチッ!と閃光が走ることがあるんですよ。
わたし:今からお願いしていいですか?
岸さん:(深呼吸をして)分かりました。
だいたいこんな感じですね。地べたでね。
わたし:ほほほぅ。まるで家にいるときのようなくつろぎの姿勢ですね。
岸さん:そうですね。とっても落ち着くんですよ。
わたし:助手の和田ちゃんも見て見ぬふりですね。ところでそれは何の雑誌をご覧になってるんですか?やっぱり週刊少年アーキテクチャーですか?
岸さん:いえいえ。家。いや。家は関係ない雑誌ですよ。
(素早く起き上がって表紙を見せてくれた)
わたし:あ!プリモ姫路フリモ姫路8月号ですね!なにか面白い記事ありましたか?
岸さん:うん。全部おもしろかったよ!
わたし:ありがとうございました。いいスタッフさんの応募があればいいですね。
それでは最後に岸さんにとってプロフェッショナルとはなんですか?
岸さんどうもありがとうございました。
終
そして、最後に告知があります。ここからが本題です。コラぼる会8月例会は「現代を生き抜く知識を得る」と題しましてコラぼる会スリートップによる、いやトップスリーによるセミナーを実施します。どなたでも参加できるオープン例会となっております。参加無料ですので奮ってご参加ください。有料の懇親会もあるよ。ただし事前申込制となっておりますのでメールにて(koraborukai@gmail.com)お申込ください。あるいは、この岸さんか山田さんかわたしか会員誰でもいいので参加の意思をお伝えください。
よろしくお願いします。
by koraborukaiorg
| 2017-08-09 14:00
| 仕事・会社PR
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